営業は科学である マーケティング分析から事業戦略、営業戦略への道筋

企業が成り立つためには売ることが最優先です。経営者はマーケティング思考、法人営業・営業戦略の本質を知って、これを営業責任者に落とし込んで行くだけの見識を持つ必要があります。これを避けては経営は成り立ちません。

私が過去に接してきた経営者は、海外現地法人の社長という方々が多いのですが、
過去の事業が成り立った上で、雇われ社長としてその地位を継承した方々が、
所与の市場があり、現在の事業が未来永劫続くことを疑わず、日常のオペレーションに謀殺されていると感じることが殆どでした。

(自ら起業した本当のベンチャー企業の場合は、エンジェルからの投資を得るため、綿密な事業計画を立てているので、そうした場合にはこの懸念は該当しません。そうした方々は、過去の私のように、組織活性化の知見が無い場合が多いので、そこを補強して頂ければ良いと思います。)

こうした状況を抜け出して、事業を成長軌道に乗せるために書籍・セミナーでマーケティング思考の必要性を説いています。

営業とは、マーケティング思考とは、それによって読者・セミナー受講者にどのようなベネフィットをもたらすのか
一般的なマーケティング・ポジショニングの分析理論と何が違うのか、
について説明させて頂きます。

1.営業は科学である

営業は科学である、というのが法人営業エキスパートとしての私の持論です。
データを基に仮説を立てて、それに基づく実行計画を立て、それを検証する。
立てた実行計画・戦略が想定通りの結果に繋がらなかった場合、仮説に戻って何が間違えていたのかを見極めて、仮説の修正を行う。これを繰り返すことで仮説・戦略の精度を上げていく。これを科学と呼ばずして何と定義するのでしょう。

ここでのデータとは市場データ、自社実績データ等、マーケティング分析のための元データ、
仮説がマーケティング分析に基づくマーケティング戦略・営業戦略です。
営業を科学たらしめるのがマーケティング分析、マーケティング思考なのです。

2.マーケティングとは

マーケティングという言葉の定義をしておきます。

マーケティングは、広義では市場創造、商品を売るための行動全てです。従って営業活動もそれに含まれます。
狭義では以下の二つになります。

①自社のポジショニング(自社の強みと、それを活かせるターゲット市場を見定めること)を行う上での分析・戦略構築

②広告や企業間連携等の施策

②については世界最高のマーケティング・経営コンサルタントのジェイ・エイブラハムの著作やセミナーで学ぶ、彼のコンサルを受けるのが最も時間と金銭の投資効果が高いです。
注)ここで言うジェイ・エイブラハムの著作は彼の代表作「逆境を『飛躍』に変えるマーケティング戦略 行き詰まりを打破する9の打ち手」(ダイレクト出版)をベースにしています。あらゆる経営者にとっての必読書だと考えています。

私が本ブログ、著作、セミナーで説明しているのは①です。
そして、営業戦略の根底に①が必須であると考えています。

自社のポジショニングを定義せずに行う営業戦略立案は砂上の楼閣に過ぎません。
マーケティングを理解せずに行う営業活動は膨大な人的リソースを無駄に消耗させます。

3.欧米型の巨大企業でも分かっていない

私が最後に勤務した大手システムインテグレータは日本最大の通信事業者の海外部門を独立させ、全世界の拠点を統合した4万人に及ぶ組織でしたが、経営トップ・管理システムは欧米人主導でした。営業システムのプロセスツールと営業トレーニングがまさに欧米型なのですが、所謂リード・潜在顧客を広げること、その各々のポテンシャルを見極めて、その案件進捗を週次で管理して行くやり方でした。ここに各国拠点の、その市場におけるポジショニングを起点にした戦略の概念が全く存在せず、営業トレーニングのあまりの薄っぺらさに驚愕した経験があります。
日本企業に多くみられる、根性で客を取って来いという竹槍型戦闘マインドは、それより更に全くの論外です。

4.営業の本質

法人営業の本質は何かを説明しておきます。
先に述べたマーケティング思考が基盤となった上で、
法人営業の本質はソリューション営業コンサルティング営業です。
詳しくは私の著書で、考え方と本質に発する実践ノウハウを記述しています。
顧客ベネフィットを追求する知的で科学的な行動の背景には
企業理念、他者への愛を形にして行く全人格的なマインドがあります。
営業は、科学的思考が求められる極めて知性的な仕事であると共に、顧客の悩み・ニーズに寄り添い、掘り下げて顧客の本質的問題を解決に導く高い人格を求められる、極めてダイナミックな仕事なのです。

4.私の「マーケティング思考から始まる営業戦略」が唯一無二である理由

書籍「中小企業経営者のための法人営業の教科書 マーケティング思考の営業戦略と自律的組織運営」の中で、マーケティングについて説いた章は、
大手企業で担当事業の事業戦略・営業戦略を練って実行に移した経験に始まり、ベンチャー企業での実践、その時代にバイブルとしていた「イノベーションのジレンマ」からの学び、
そしてバッファローという典型的なランチェスター戦略実践企業での経験を経て、私独自の発展を遂げた考え方になっています。
端的に、3C分析4P戦略の説明は、その後に続く戦略的思考の土台をしっかりさせるために行っています。
では、その土台の上に積み上げる考察は何かというと、それがランチェスター戦略です。
通常、企業は幾つかの異なる商品群を持つはずです。商品の機能や適用分野、顧客層、機能や製造プロセスの違いにより複数の商品に分類されると思います。
3C、4Pは、個々の商品に対して行うミクロ分析です。
しかし、そこの最適化で留まっていては、事業の全体像、企業戦略を浮かび上がらせることが出来ません。
そこからが、ランチェスター戦略の出番です。
そして、そこで最も重要な概念が市場シェアです。
自社商品が競合に対して圧倒的に高い顧客貢献度を達成できるのは、どのような顧客層、顧客ニーズであるのか、それが市場セグメンテーション(顧客層・商品の定義)です。
その市場セグメンテーションに対してであれば、最小限のリソースで自社がトップシェアを取れるはずなので、そのような市場セグメント(顧客層・商品)が何かを定義し、そこでトップシェアを取る戦略を打って行きます。
そして、更に考察すべきなのは、次にターゲットとすべき市場セグメンテーション(顧客層・商品)は何か、更にその次は何か、そしてそれらのトップシェアを順次取って行った時に、その市場の全体像はどのようなものか、その全体像の中で、自社が最終的にどういう位置づけを目指すのかを検討します。その最終的な位置づけを実現するのはいつか、初年度はどこまで駒を進めるか、次年度は?そうやって自社が目指すべきゴールが定まって行きます。それをいつまでに、どこまでやるのか、それがビジョンであり、それを裏付けるのがマーケティング分析であり、そこに経営資源を何時どう配分して行くかを定め実行計画にしていったものが事業計画です。

ただし、このような検討を線的にリニアに行うだけでは、思いがけない落とし穴がある可能性があります。何故なら、検討対象にした市場セグメンテーションにとっての市場、顧客の先の需要分野が何で、それがこの先も成長市場であり続けるのか、何らかの破壊的技術・サービスによって、その市場自体が消滅しないか、その破壊的技術・サービスを自社の需要先として取り込むことが出来ないか、そこまでの考察が必要です。
それが、イノベーションのジレンマを学び考察する意味です。

つまり、自社の事業戦略を市場分析・成長分析を基にして立てて行く際には、自社の強みを最大限活かすべくミクロ分析は行いながら、複数の商品群を市場トップに押し上げる段どりを考え、達成すべき実現可能な将来像を明確に定めましょう、ということを説いているのです。

ここに挙げた個別の理論を説明する書籍は数多ありますが、これら各々の理論が一本の線で有機的に繋がれていなければならない、全体像としてのビジョンを描くところまで道筋を描くべき、というのが私の理論の骨子です。

ここまでの戦略を描いた上でなければ、営業戦略は成り立ちません。事業戦略の中で今年度の具体的利益目標を達成するためのターゲット顧客は市場の中でどの位置づけにあり、どこから攻略して行くか等々の行動計画を立ててPDCAを回して行くのです。
事業全体の戦略を棚に上げて、営業部門に営業成績だけ上げろというのが最もありがちで、最もリソースを空費するやり方なのです。だからマーケティング思考を実践しましょうというのが本稿及び著書・セミナーでの呼びかけです。

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